犬の涙やけ改善の手術は、涙管を洗浄して詰まりを取り除く手術と、涙管そのものの先天的異常を改善する手術の2種類があります。
涙やけの洗浄手術
洗浄手術とは、涙小管や鼻涙管の中に管を入れ中の詰まりを洗浄する手術のこと。洗浄と聞くと手軽に感じますが、場合によっては全身麻酔が必要になります。
具体的には、涙管に極細の管を挿入し涙管を洗い流す処置になります。アフターケアも合わせて15~30分程度の短い処置ですが、症状が強かったり体質によっては効果が持続しない場合もあります。
先天的異常の涙やけ手術
先天的異常の涙やけには様々なものがあります。
・生まれつき涙を通す穴が開いていない場合に、穴を開ける外科手術
・内側に入りすぎた瞼(眼瞼内反症)を正常に戻す手術
・逆さまつ毛や毛が目に入りやすい状態である場合に、顔のひだを取り除く整形外科的手術
涙やけの手術としてよくあるものはこれら3つ。
涙やけの原因がその部分だと特定されているのであれば、手術も行いやすく、完治する可能性は大きいです。
どの手術も全身麻酔というリスクがあるので、まずは食習慣や衛生など改善できるところから試してみて、涙やけの改善が見られないなら最終手段として手術を選ぶのが良いかと思います。
涙やけ手術にかかる費用
最後に、涙やけにかかる費用を手術別ご紹介します。動物病院によって金額は違いますので目安としてみていただければと思います。
涙管洗浄(鼻涙管閉塞) | 2~5万円 |
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穴をあける手術 | 10~20万円 |
眼瞼内反症手術 | 3~20万円 |
逆さまつげ除去 | 1,000~5,000円(両目) |
逆さまつげ除去以外は片目の費用になります。
逆さまつげがある場合、手術ではなく病院で抜いてもうこともできます。費用は手術ほどかからず短時間で終わりますが、麻酔なしの場合が多いため痛みに弱いワンちゃんにはあまりおすすめできません。
レーザー照射など毛根ごと除去する場合は費用が高くなることがあります(20万円近くすることも)。また、逆さまつげが目を傷つけていることも多いため点眼治療も同時に行うことがあります。
金額に幅があるのは病院の違いもありますが、何泊するかでも大きく変わることがあります。
涙やけは治療をしても再発することが多いため、特別ひどくなければ上手く付き合っていくという選択肢もあります。このあたりはお医者さんと相談しながら、どの程度必要性のある手術なのか見極める必要があります。
参考記事