涙やけは涙によって目の周りの毛が薄くなったり変色したりする症状のことですが、これに似た症状で実は他の病気にかかっている・・・ということもあるのでご紹介したいと思います。
涙か目やにかすぐにチェック
ワンちゃんの目に違和感を感じたら、まずそれが何なのかをチェックしてあげてください。わかりにくかったらティッシュやコットンでふき取って色や匂いを確認してあげると良いでしょう。
もし、普通の涙ではなくて目ヤニであったり、透明でも気になるようなにおいがした場合、目の炎症を起こしていることがあります。
一般的に目ヤニの色が黄色や黄緑色だとウィルスや菌の感染で膿が出ている状態だといわれています。黒やグレー、茶色っぽい目ヤニだとタンパク質やほこりを含んだものなのでそこまで心配する必要はありませんが、量が多い場合にはやはり病院で診てもらうことをおすすめします。
まつげが長いビーグルやスパニエル系は逆さまつ毛により目を傷つけることがあるので定期的なチェックを欠かさないようにしましょう。また、目が飛び出ているシーズーやパグ、ブルドッグ系の犬も散歩中の草などの障害物に注意してあげてください。目に傷ができると感染症を起こしやすくなります。
その他目ヤニが出る症状として、角膜炎、結膜炎、白内障、緑内障、眼瞼外反症などがあります。目ヤニが出やすい犬種は涙やけを起こしやすい犬種と同じくシーズー、チワワ、マルチーズ、ヨークシャーテリア、パグ、ブルドック、トイプードルなどがいます。
目ヤニのケア方法も基本的には涙やけのケア方法と同じ。ホウ酸水で優しく拭いてあげてください。力ずくで拭いたりアルコール入りのクリーナーで拭くのはNG。不安であれば獣医にやり方を聞いてから行うようにするとよいと思います。拭き終わったらしっかりと乾かしてあげることも忘れずに行ってください。
涙やけによく似た症状と病気
涙やけによく似た症状と病気の特徴について、簡単ではありますがご紹介します。
角膜炎
角膜炎では、目の表面(角膜)が炎症を起こし、目が赤くなる、目やにが出る、目を細める、光に対して敏感になる、などの症状が現れます。角膜が曇ることもあります。
角膜炎は、外傷、感染、乾燥、アレルギーなど様々な原因で引き起こされる炎症です。放置すると、視力の低下や角膜潰瘍につながる可能性があるため、早めの治療が重要です。
結膜炎
結膜炎を起こすと、目が赤く充血し、目やにが増えることがあります。また、目をかゆがるような行動や、まぶたが腫れることもあります。
結膜炎は、結膜という目の白い部分とまぶたの内側を覆う膜の炎症です。細菌やウイルスの感染、アレルギー、刺激物(煙や化学物質)によって引き起こされることが多いです。適切な治療を行えば、比較的短期間で回復します。
白内障
白内障では、瞳孔の中が白く濁り、視力が低下します。進行すると、犬が物にぶつかりやすくなったり、行動が不安定になったりします。
白内障は、目の水晶体が白く濁る病気で、加齢が主な原因ですが、糖尿病や外傷、遺伝的要因でも発生します。重度の場合、手術が必要となることがあります。
緑内障
緑内障は、眼圧が上がることで目が赤く充血し、目の周りが痛むようになります。視力低下が急速に進行することもあります。
緑内障は、目の中の液体(房水)の流出が妨げられることで眼圧が上昇し、視神経が損傷する病気です。早期発見と治療が重要で、放置すると失明に至る可能性があります。
眼瞼外反症(がんけんがいはんしょう)
眼瞼外反症では、まぶたが外側にめくれ、目の乾燥や炎症が起こりやすくなります。目やにが出たり、涙があふれたりすることもあります。
眼瞼外反症は、まぶたが正常な位置を保てず、外側に反り返る状態です。遺伝的要因や加齢、外傷が原因で発生し、重度の場合は外科的な治療が必要になることがあります。
少しでも違和感があれば動物病院へ
犬種によっては涙やけはよくある症状で、すぐに病院に行かないといけないという病気ではありません。
しかしながら、涙やけと思っていても実は違う病気だったということもあるので、見た目や色など少しでも違和感があればすぐに動物病院で診てもらうようにしてください。
このブログでも、「涙やけアンケート(画像付き)」でご紹介しているので、気になる方は参考にしていただければと思います。